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仙台高等裁判所 昭和24年(を)246号 判決

被告人

小針開一

主文

本件控訴は之を棄却する。

理由

前略

しかしながら、臟物牙保罪の成立には、犯人が臟物であるかも知れないものと思いながらその賣買の仲介周旋をした事実があれば足りかつ右程度の認識があれば「臟物たるの情を知りながら」と判示しても差支えないもので、本件においては被告人が本件衣類が臟物たることを明確に知つていたという証拠はないことは論旨の通りであるけれども原判決が挙示していた証拠はよれば被告人は本件衣類を盜品ではないかと思いながら、依賴者たる朝鮮人某のために鈴木金吉に賣却してやつたということを認めるに十分であるから、原審が被告人の所爲を以て右衣類が臟物たるの情を知り乍らその賣却方の斡旋をして牙保したものとしたのは当然である。

以下省略

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